【Rusty Lake】The Past Withinの感想と考察【ネタバレ】

2023/07/15 0

Others Rusty Lake シリーズ


ポイント&クリック型の謎解きゲーム『Rusty Lake』シリーズの派生作品、『The Past Within』をクリアしたので、感想と考察を書きました。

『The Past Within』は2022年11月2日に発売された非同期型2人プレイ用の謎解きゲームです。2人プレイ用です。
ぼっちの私は、むせび泣きながら2台分(PC版とスマホ版)を購入し、1人でプレイしました😭
7月6日にSwitch版が発売されたそうです。
非同期型(画面を共有しないオフラインゲーム)なので、クロスプレイ対応。

1人でプレイしても面白かったです!でも、開発者の方が想定した遊び方ではないと思いますが……。
『Rusty Lake』シリーズ独特の不気味さが、本作はかなりマイルドになっています。
過去作と比較しても、あんまりグロくない。いきなり植木鉢から手が生えてくるとか、そういうシュールな場面も少ない。とはいえ、多少のゴア表現はあります。
謎解きは難しくありません。しばらく解けないと、ヒントが出てくる親切な仕様です。

『Rusty Lake』シリーズの世界観は繋がっているものの、本作は「過去編と未来編に分かれて、2人でコミュニケーションを取りながら謎を解く」というテーマに焦点が当てられているので、他作品を知らない人にも分かりやすいストーリーになっています。
『Rusty Lake』シリーズ入門編に最適だと思いました。
協力プレイの謎解きゲームをやってみたい方に、めちゃくちゃおすすめ。

1周目のクリア時間は(1人で2台同時操作して)約2時間でした。

この先、ネタバレ注意】
以下、『Cube Escapes』『Rusty Lake』シリーズと派生作品も含めて、ネタバレ全開です!未プレイの方は読まないでください!プレイ後に読んでいただければと思います。


登場人物について

ローズ・ヴァンダーブーム

今作の主人公(操作キャラ)
『Rusty Lake: Roots』『Samsara Room』(シークレット)に登場。
1909年生まれ。アルバートとアイダの遺伝子を組み合わせて生まれた試験管ベビー。
サイキックな能力があり、祖先のウィリアムの堕落した魂とウィジャボードを通して交信し、ウィリアムの転生を手助けした。その過程で父アルバートは死ぬ運命になるのだが、今作では……。
本作の過去編(1926年)では17歳、未来編(1984年)では75歳。

アルバート・ヴァンダーブーム

『Rusty Lake: Roots』に登場。錬金術師だったり、呪術師だったり、科学者だったり。
1867年4月26日生まれ。ジェームズとメアリーの間に生まれた三つ子の末っ子。
兄サミュエル、姉エマ。アルバートは生まれつきおでこに痣があった。

1876年、アルバートが蝶を捕まえようとしていたところ、サミュエルとエマが悪ふざけをして、アルバートは蜂に襲われて頭部に大怪我を負う。この時から兄弟を憎むようになる。
1891年、エマの息子フランクを井戸に落として幽閉する。
1896年、母、兄、兄の妻アイダと嘘つきゲームをやっている時、アイダへの想いを見透かされて嘘が露呈、悪魔のタロットカードを渡される。この時から、アルバートは鹿の頭蓋骨を被るようになる。頭蓋骨を渡したのはミスター・クロウ。
1904年、ブードゥー人形で兄とアイダを操って殺害。
1909年、アイダの遺伝子と自分の遺伝子を組み合わせてローズ誕生。
1924年、ローズの手助けによってフランクが井戸から脱出。
1926年、フランクとチェスで対決し、負けて殺害される。享年59歳。

アイダ・ヴァンダーブーム

『Rusty Lake: Roots』に登場。占い師。夫サミュエルとの間にレオナルドという息子がいる。
1866年冬生まれ(『Cube Escape: Paradox』で判明)
夫とともにアルバートに殺害された後、アルバートが彼女の遺伝子を使い、ローズが誕生した。

ストーリーの感想

この物語は過去編、未来編と分かれていますが、基本的に記憶のキューブの中で同時に起きた出来事です。現実への影響はまだ分かりません。続編で明かされるでしょう。
最終的にキューブから脱出するのですが、その点は『Cube Escape』シリーズの世界観を引き継いでいることが分かりますね。

しかし、シリーズの重要人物であるローラが、微塵も出てこないのは残念でした。
アルバートとローズの親子中心のプロットになっており、他の人物はおまけ程度に一瞬しか出てこないので、ファンとしては少し物足りなさを感じてしまいました。
ストーリーも短いので、あんまり考察するところが無いかなぁ……と思いました。

最初に蝶モードか蜂モードか選択します。私は両方ともプレイして4周以上しましたが、謎解きの答えが変わるくらいで、ストーリーや結末は同じでした。
謎解きは面白かったです。

ストーリーについて【ネタバレ注意!】

概要

黒キューブは過去のトラウマなどのネガティブな記憶が収められています。黒キューブを抽出された人は、堕落した魂になってしまう可能性があります。
金キューブは未来を意味しますが、実際にどんな効果があるのかは明らかになっていません。


1926年。近いうちに自分は死ぬ運命だと予見したアルバートは、キューブを使って未来で復活する計画を立てます。
死後はあえて堕落した魂となって、復活の時まで現世に留まります。肉体を蘇らせるには、自分の身体の一部が必要です。そこで、金キューブを使います。金キューブの中には未来の記憶が収められているので、その中に自分の身体の一部を転送すれば、未来で復活できるという計画です。

しかし、肝心の金キューブはまだ生成できません。必要な装置が開発される時代まで、復活の時を待たねばなりません。その頃には1926年の記憶もキューブに収められて残っているはずですから、未来からも1926年のキューブに干渉できる装置を作れば、未来と過去、相互にやり取りできるようになります(今作はこのやり取りを2人プレイするというわけです)
未来との連絡役として愛する娘ローズ(17歳)に全てを託して、アルバートは亡くなりました。


1984年、ローズ75歳。キューブの記憶に直接干渉でき、なおかつ金キューブを生成できる装置が開発されたようです。
すごくね!?

これまでのシリーズでは、ラスティレイクに属したキューブの記憶を追体験するには「白キューブ」を、記憶を巻き戻してやり直す時は「青キューブ」を使用していました。
『Cube Escape: The Cave』にて、ミスター・アウルとミスター・クロウが金キューブを生成した際は、白・青・黒キューブが必要でした。
しかし、この装置は白・青キューブが無くても直接黒キューブに干渉でき、さらに金キューブを生成できるなんて!

誰が開発したんでしょうか。
【2024/4/21追記】
続編の『Underground Blossom』のアプデ追加要素で、この装置はローズが作ったことが判明しました。

第一章


ゲーム開始時点で、未来の装置には既に1926年の黒キューブがセットされています。この黒キューブの記憶の中が、もう1人のプレイヤーが操作する『過去編』ですね。
……私は1人で両方操作してますけど😭

ここで疑問。この黒キューブは誰のもの?
【2024/4/21追記】
続編の『Underground Blossom』のアプデ追加要素で、この黒キューブはローズ自身のものだと判明しました。


過去編の話に移ります。
部屋の外(キューブの外)にいる未来の人物と連絡をとり、アルバートの遺体から耳、歯、血を採取します。アルバートが生前に作り上げた転送装置に、採取したそれをセットします。
そして、アルバートの遺体を堕落した魂に変化させます。

しかし、この描写は矛盾している……といいますか、記憶が書き換えられています。
『Rusty Lake: Roots』にて、1932年にローズがアルバートの墓を掘り返しているので、遺体は埋葬されたはずだからです。
実際にアルバートが堕落した魂になったのは、1932年以降ではないかと思います。

ここまで準備できたら、未来編の装置の電力サージプログラムを起動。中のキューブ(過去編)にエネルギーが送り込まれます。


過去編の堕落した魂が、送り込まれたエネルギーを使い、金キューブを生成。この金キューブの記憶の中が『未来編』となっています。
金キューブを転送装置にセットすると、過去から未来へ干渉できるようになりますので、耳・歯・血を未来へ転送します。

この時点で、キューブの中にキューブがある状態、すなわち過去の中に未来があり、未来の中に過去があり……といったループ構造が出来上がります。

第二章


未来編。金キューブの生成が終わったら、装置から黒キューブを取り外します。
この黒キューブは、蘇生タンクの電源としても使用します。

蘇生タンクの中にはアルバートの堕落した魂がスタンバってます。
過去編から転送されてきた耳、歯、血を蘇生タンクに送り込み、堕落した魂に融合させます。すると、魂に肉体が蘇り、アルバートが復活します。
復活したアルバートは「キューブから脱出する必要がある。我々の居場所である湖に向かうのだ」と言います。

過去編では、3つの宝石を見つけて、転送装置にセットします。すると、金キューブが装置から外れます。
堕落した魂が金キューブを手に取り、「今のループ状態から抜け出す必要がある。湖に向かうのだ」と言います。


次のシーンは過去編も未来編も薄暗い森林の中になりますが、ここは明らかにラスティレイクですね~。
最後に、このようなメッセージが出てきます。語り手はアルバートかなと思います。
ループは断ち切られた。隙間は閉じられた。湖に時間は存在しない。過去と未来が交錯している。お前達も同じだ。もう2人は湖のもの…。魂が目覚める場所。

アルバートは復活を果たし、過去と未来のローズは融合して1本の木になりました。
ローズが木になった理由とその後は、続編『Underground Blossom』で語られます。

以下、シークレットのネタバレを含みますので、ご注意ください!

シークレット要素①:Switch版トレーラーに隠された英数字


上記のトレーラーに出てくるメトロノームとガラスポット(?)に書かれた英数字を、過去編の第二章の転生装置に入力すると、シークレット。


このようなメッセージが表示されます。湖に浮かぶ建物といえば、ラスティレイクホテルです。
「ローズ・ヴァンダーブーム、私のラスティレイクホテルを見つけて」って意味かな?
【追記】
これは『Underground Blossom』の隠し実績のヒントだったので、本作とあまり関係ありませんでした!
【追記ここまで】

シークレット要素②:巻物とARG

redditのスレで知ったのですが、Rusty Lake公式YouTubeチャンネルのライブ配信(https://www.youtube.com/watch?v=opPUpiYJs58)の中に、シークレット巻物を入手できるヒントが隠されているそうです。
ヒントを元にゲーム内でシークレット巻物を4つ入手し、実績画面で巻物をクリックすると、シンボルが表示されます。
シンボルはユーザーごとにランダムなんだそうです。

上記のライブ配信の最後に、「Best Kept Memory」という会社の宣伝が流れます。実際にサイトもあります→https://bestkeptmemory.com/

これは『The White Door』の隠しステージでもありましたが、実在するサイトを調べて謎を解くというARG(仮想現実ゲーム)です。
『The White Door』の場合は、同名のメンタルヘルス施設のサイトが本当に存在しており、そのサイトの謎を解き明かすと、ゲームでの隠しステージを発見できるという流れでした。
英語が苦手な私は『The White Door』のサイトの謎解きを断念してしまったんですよね……。

本作もARGの謎解き要素があるんだろうとは思ったのですが、やはり英語がダメなので、「Best Kept Memory」のサイトも断念しました😓
一応、巻物を4つ全て集めたのですが、シンボルの意味も用途も分からず。

Best Kept Memoryについて

記憶操作クリニックです。前述したとおり、実際にサイトもあります。
大切な記憶をデータベースに保存するサービス、記憶をビデオに録画して自宅にお届けするサービス、不要な記憶を抽出する実験的治療なんかを提供しているようです。誰が運営しているのかは今のところ不明。
怪しい……。記憶を集めてるんじゃないの?

Rusty Lake公式YouTubeチャンネルにある動画「Best Kept Memoryがセキュリティ侵害の申し立て」の最後の方に、防護服を着た人が黒キューブを運び出す映像が映っています。怪しすぎる!

Best Kept Memoryのサイトの広告に、ミスター・アウルが運営するメンタルヘルス施設「The White Door メンタルヘルスと釣り」が表示されていますが、これらの施設の関連性は不明です。
繋がってても不思議じゃないですけどね。


  Rusty Lake 考察記事【ネタバレあり】

自己紹介

あおはさきの写真

あおは さき

ストーリー・世界観を楽しむことに重きを置くゆるゲーマー。RPGが大好物。
YouTubeにプレイ動画も投稿中。
YouTubeチャンネルはこちら

詳しくは「このブログについて」をご覧ください。


» ランキング参加中です «
人気ブログランキング
PVアクセスランキング にほんブログ村にほんブログ村 ゲームブログへ
にほんブログ村

最新記事

このブログを検索

アーカイブ

Blogger QooQ